「売上げを倍にしたい」
「大赤字を黒字転換したい」
という相談をよく受けることがありますが、たいていの場合、それを鵜呑みにして
一時的に売上げや利益を増やす方法をアドバイスしても、残念ながらクライアントは動いてはくれません。
それはきっとクライアント側が、「問題はそこじゃない」と、心のどこかで感じているからでしょう。
ですので、通常、私はまず「見えていないものをはっきりと見える化する仕組みづくり」をサポートすることから
はじめていきます。
結論から言うと
「お金の流れが漠然としている、それによるストレス、不安、焦り」
を感じている経営者が多いと思います。
時に大枠での経営数字の把握はとても重要で特に迅速なジャッジを要する局面においては、
この大枠の把握ができるかどうかが決定的な勝利要因となる場合も多くあります。
しかし、「常に大枠の把握」ではいけません。
この「大枠の把握」 ≒「どんぶり勘定」 に慢性的に陥っているがゆえのストレスといえるかもしれませんね。
資金繰りの話しもそうですが、もちろんそれ以外にもお金の悩みはあるはずです。
実際に赤字会社だけじゃなくて、黒字で儲かっている会社でもお金の不安はあります。
よくあるのは仕入れ支払いと売り上げ入金のタイムラグによる把握不足です。
自社のキャッシュフロー構造を理解していないということです。
このような経営者は、タイムリーに把握が難しいため、ストレスがたまります。
経理担当に確認するものはっきりせず、いらいらした結果、経理を見ないでかじ取りをしようとする。
けど、やはり不安になってきて、アクセルを踏めないでいる、、、
アクセルを踏みたいのにブレーキを踏まなきゃ。しばらくすると「よしやるぞ!」とアクセルを踏むけれども
踏み切れない。この繰り返しです。相当なストレスになると思います。
つまりお金の悩みの事態は、単純にお金がないという悩みだけではなくて
いまどれだけお金が出入りしていて、どれだけ使っていいのか、どれだけ余るのか、どれだけ投資に回せるか、
その見込みが見えていない というところにあるのですね。
これをはっきりと見える化できるだけで 実はお金の悩み自体はほとんど解消できることがあります。
ここが見えていれば、それに準じた対策を打てばいいだけですから。
後はテーマを絞るだけです。資金調達なのか、セールスなのか、商品開発なのか などなど。
ではここではこのお金の悩みを見える化する場合のヒントを話したいと思います。
すべての会社がどれかのパターンに当てはまるとは言いませんが、
あなたの会社でお金の悩みがあるのならば、次のどれかに近いはずです。
どれに当たりますか?
① お金の流れが見えていない が、間違いなくお金が足りていない
これは毎月末に資金ショートしそうで、資金繰りに追われて日々頭を悩ませている社長の大半がここにあたるでしょう。
この場合は至急、現状の把握と収支バランス、商品・サービスの再構築などの根本的な改善の対策が必要になります。
② お金の流れは見えていない が、黒字状態
これはどんぶり勘定でもどんどん受注が入り、休む暇もないほど忙しいようなベンチャー企業がここにあたります。
また、少し大きめに企業からそこのクライアントを引っ張ってきて独立した経営者の起業時から3年目くらいまでによく見られる傾向です。
③ お金の流れが見えている そして赤字
お金の動きがしっかり追えているので、赤字の原因は明白です。
この場合はセールス、販売に特化した施策を早急に打つこと。それと固定費の削減、実情に合った会社運営規模にしていくという対策を
とる必要があるでしょう。
ここではとるべき対策の優先順位が重要となってきますね。
④ お金の流れが見えている そして黒字
もし、あなたの会社がここにあたったとしても、当然ながらお金のストレスもあるでしょう。
特に今が順調であればあるほど、将来への不安 =ストレスが強いと思われます。
ですのでここにあたっている会社は、中長期計画を入念にチェックし、日々ウオッチしながらしっかりと実行していく
ことが重要となってきます。
ここまででわかる通り、どんな状態にあっても会社を運営している以上はお金の悩みがつきまといます。
重要なのは、
「今の状態がどんなで何をすれば将来どうなっているか、」
というシナリオをしっかり描くことです。そしてそのシナリオ通り進んでいるかを日々チェックしていくことです。
現状①にいる会社は③に行くように。②にいる会社は④に行くように、など自社の状態をしっかり把握するべきですね。
アクセルを全力で踏めるようにブレーキとなっている箇所を早く特定し、どんどん加速していきましょう!
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