「やる気が続かない」ということについて脳科学の視点から脳内で何が起こっているかをしっかりと理解することがとても需要です。
これを知ることでやる気が続かない自分に対するイラ立ちやストレスを和らげることができたり、自己肯定感を下げることなく毎日を過ごせるはずです。
人間誰しも一度はこんな経験があると思います・・・・
やるぞ!!と決意したものの、「まずはお風呂に入ってスッキリしよう!」と考え、お風呂に入ってみたら、スッキリするどころか風呂から上がったころには、すっかりさっきの勢いもやる気も失せ、、、、、
または、、、
「よし、明日から絶対やる!!」と決めたのに朝起きると、昨日の決意はどこへやら、、、、
あなたも必ず経験ありますよね。
なんでこんなことになってしまうの?
やっぱり私って意思が弱いの? 本気じゃなかったのかな?
このような心の変化は、単なる意思の弱さから来ているものなのでしょうか。
今回は、これについて書いていこうと思います。
結論から言うと、あなたの意思が弱いからではない。のです。
ここで少し、人間の生命の話をします。
はるか昔、人間にとって最大の課題は、「今日を生き抜くこと」でした。
いつ何時、獣に襲われるかわからない、食うか食われるかの環境で毎日を生き抜いていました。
今日を生き残ることが何よりも大切な事だったのです。
そして、そんな環境下において人間の体には、生存していくための様々な仕掛けが自然と備わってきます。これは、遺伝子レベルの話です。
はるか祖先の時代から蓄積されてきたものが遺伝子レベルで組み込まれていきます。
これは、身体に対してだけでなく、脳に対しても同じことが言えます。
特に人間は、他の動物と比べると大脳が著しく発達していますね。
はるか昔の過酷な環境を乗り越えてきた私たちの祖先が蓄積してきたこの「生存していくための様々な仕掛け」=「生命維持の仕掛け」はとても強力なのです。
そして、その仕掛けは数千年、数万年後の現代の人間にも強力に作用しています。
ですので、現代になった今でも私たちの脳は、生き残るための動きをさせようと私たちに強力に働きかけます。
それも私たちが自分で意識できない領域、レベルです。
では、それはどのような働きかけなのでしょうか。
少し、考えてみましょう。
いかがでしょうか。
ここまでのお話しの流れから何となく察しがついた方もいるかもしれません。
どのような思考になるかというと、『今日を生き抜くことが最重要であるならば、生き残ることができた昨日は大成功だった。』ということなのです。
つまり、それは、
「生き残ることができた過去」を手本として繰り返そうとすることなのです。
今、生きているということは、昨日を含む過去の過ごし方は良いものであった。だから同じように過ごしていくように脳は私たちに働きかけるのです。
おわかりでしょうか。
具体例をあげましょう。
昨日まで、だらだらして過ごしてきたのであれば、明日もだらだらと過ごすように脳は私たちに仕向けます。
一日中、大好きなことを考えて過ごしていれば、ぐっすり寝た次の日もそのことで頭はいっぱいです。
あることに悩んでいて、それは行動すれば解決することなのに、いつまでも行動できずに悩み続けてしまいます。
このような状態のことです。
それでは、この脳の仕組みに逆らって何かを考え、または行動しようとしたとすると何が起こるのでしょうか。
脳に組み込まれた遺伝子レベルの仕掛けに逆らうわけですので、相当な逆襲にあいます笑
例えば、今までやったこともないことを私やる!!と高らかに決意したら、、、、
その興奮時にアドレナリンが大放出され、勢い付くも、少しの時間経過すると脳はその興奮状態は、異常な状態と判断し、危険信号を出しはじめます。
つまり、
「生き残った昨日の状態」とは違う と判断し、生命維持の仕掛けが動き出します。
そう、
生命維持の仕掛けが動き出すということは、=「昨日のあなたの状態に戻す」ことなのです!!
超強力な力で、「今のあなた」を「いつものあなた」に戻そうとします!
・・・そしてあたなは、気づないうちに「いつものあなた」戻っている・・・
どんなにやる気を起こしても、数時間後には「あれっ?」と冷めてしまっているのは、このような脳の仕組みからできています。
これをホメオスタシス(恒常性)といいます。
この脳の仕組みを理解すると、気が楽になる出来事が沢山あると思います。
またこれから、何かを思い立った時や始めるとき、このような心の動きを理解しておくと対策がとれますね。
次回は、このような心の動きに対する対策をお話ししようと思います。
具体的には、先ほど「脳があなたを戻そうと異常信号を出す」と言いましたが、それはわかりやすくいうとどのようなことなのかを説明していきますね。
私たちは、この異常信号に気付きません。
なぜかと言うと脳は、私たちに錯覚させるからです。
錯覚?何を? これを理解するともっと気が楽になるかもしれませんね。
では、また次回。
コメントを残す