前回は、
「マーケティングの目的はセールスの必要をなくすこと」
をテーマにそのポイントの1つ目を書きました。
とても重要なポイントですので、ご覧になっていない方は
是非、チェックしてくださいね。
さて、今回は続きになります。ポイントの2つ目です。
それは、
「マーケティングの基本となるプロセスを知る」 ことです。
マーケティングは、あらゆる分野の中でも、そのプロセスが
かなり体系化された領域のものです。
特にマーケティングに関する書籍などは、膨大に存在しており、
きっとあなたも
「一体、どれを読んでいいの?」
「何から(どこから)学べばいいの?」
と思ったことが一度はあるはずです。 私もそうでした(笑)
私は、とりあえず片っ端から読みあさりましたが(相当の時間を要しました。。)
その結果、思ったことは
「基本的にどれも同じプロセス(体系)で述べられているな」
という事でした。書籍により特化されている部分に違いはありますが
各内容の深度を無視して考えれば、「同じことを言っている」でした。
ビジネスにおいては各セクションにおいて、あらゆる分野の書籍がありますが、
ここまでプロセスが体系化されているものはない、とさえ感じました。
しかも、マーケティングの基本プロセスについては、時代の変化や
技術がもっと進んでも、大きく変わることのないものであると思っています。
ここでは、この難しいマーケティングのお話しを少しでも分かり易くするために
ある書籍からヒントを得て、「質問形式」で説明をしていこうと思います。
この内で全てをお話しことは不可能に近いので、できるだけ分かり易い
よう、重要なポイントに絞ってお話ししていきますね。
その前に、、ビジネスのあらゆるセクション領域でもそうですが、
マーケティングにおいても、いわゆる「PDCAサイクル」を回すことは
とても重要です。
科学的な方法論の効果は確実に出ます。ですので、このサイクルを愚直に
実行することで成功確率を高められるのもマーケティングの特徴となります。
それでは、基本プロセスを④つに分けて順番に解説していきたいと思います。
まずプロセスの①です。
『外部、内部環境分析および機会の特定』 となります。
外部環境とは、政治、経済、社会、技術 といったものです。
事業が求められている社会的背景とも言えます。
質問にするなら
Q:事業をとりまく経済環境、社会情勢、技術革新の状況は?
となりますね。
これは、外部環境の中でも「マクロ環境」と言われるもので
その他にも「ミクロ環境(業界環境)」というものがあります。
市場や顧客、競合 といったもので、市場規模の分析と言えると思います。
質問は、
Q:市場規模はどの程度か?
Q: 競合他社を3社は?
Q: 競合他社の強みは何か?
Q: 顧客にとっての価値は?負担感はどの程度?利便性はあるか?
といったものになります。
そして、内部環境とは大きく分けると概ね4つほどになります。
①開発力…(基礎研究、製品開発、情報収集)
②生産力…(製造、生産技術、品質保証)
③販売力…(企画提案、営業、顧客サポート)
④経営力…(経営能力、競争力、収益力)
です。これはそのまま言葉のとおりとなります。
自社が保有するヒト、モノ、カネ、情報などの経営資源を
棚卸しして、他者と差別化できる自社独自の強みを掘り出し、
それをもとに事業アイディアを構築していくフェーズになります。
そして、プロセス①の最後の「機会の特定」となります。
これは、あなたも一度は聞いたことがあるでしょう
SWOT分析 というものの登場です。
これだけを解説した書籍もたくさんあるほどですので、
ご存知の方も多いと思います。ですので、ここでは簡潔に説明します。
・強み(Strength)
・弱み(Weakness)
・機会(Opportunity)
・脅威(Threat)
の頭文字をとってSWOT分析。これは、分かり易く(短く)
それぞれを箇条書きでまとめることをお勧めします。
そして、それぞれを組み合わせて(例えば 「強み×機会」)、
特に強みに着目した、戦略的アイディアを発想していきましょう。
ここまでが、プロセス①となります。
随分ポイントを絞りましたが、ここまででもかなりのボリュームだと思います。
このプロセス①をどれだけ分析できたかが、この後大きく響いてきます。
しかし、最初はうまく分析しきれないものと割り切って、ここで立ち止まらずに
ドンドン進めてほしいと思います。PDCAサイクルが何より重要ですからね。
それでは、次のプロセス②に移ります。
『セグメンテーション(市場細分化)、ターゲティング(標的市場選定』 です。
これは、プロセス①のSWOT分析の続きと考えると分かり易いかもしれません。
SWOTのそれぞれを組み合わせて(クロスSWOTともいう)いくと、
いくつかの戦略的発想が出てくるはずです。
その発想をもとにターゲットをどんどん小さく絞っていきます。
例えば、
「他社には脅威でも、自社の強みで機会に変えることができないか?」
という発想から、自社が標的とする市場を明確化していきます。
すでに市場の細分化が完了していれば、どこかの市場にピンが立つはずです。
更に言うと、その標的とした市場には、あなたが設定した「ペルソナ」は、
ちゃんと存在しますか? そこにいますか?
これも盲点です。 せっかく考えた「ペルソナ」が、マーケッティング戦略の
段階になると忘れ去られることもしばしばあります。
特に起業されたばかりの方やこれから起業される方の相談にのっていると
・ミッション、使命(目的など) ⇒ ペルソナ(こんな人の役に立ちたい)
・商品、サービス(売りたいモノ)⇒ 市場(こんな人に売りたい)
となぜかバラバラに切り離されて、考えてしまっていることが多々あります。
これでは、残念ながらうまく行きません。全て繋がっていなくてはいけないのです。
ミッション、使命(目的など) ⇒ ペルソナ(こんな人の役に立ちたい)⇒
⇒ 商品、サービス(こんな商品が役に立つ)⇒ 市場(この市場にいてそれを求めている)
のようなイメージです。
次にプロセス③、
『ポジショニング(独自認知、他社差別化)』 です。
プロセス①と②で 環境の分析とターゲットの明確化が完了しましたので、
次は、SWOT分析から戦略的に発想できた商品やサービスをターゲットに届けたい
ところですが、ただ届けてもダメなのです。
今度は、あなた自身が立っている場所(ポジション)をターゲットに明確に示す
必要があります。 もちろん、商品であれサービスであれ、他社とは違うポジションのはずです。
でなければ、ただのコピーになってしまいますよね。
質問にするなら
Q:一言で商品の本質を表現すると?
Q:他社に負けない強みを短い言葉で表わすと?
Q:他社がマネできない独自部分は何か?
Q:「えっ、そんなものを作ったの?」と一言目に言われるキャッチコピーは?
のようになります。
そして、最後のプロセス④が
『マーケティング・ミックス(ここでは4P「売り手側視点」とする)』
です。
こちらもご存知の方が多いと思います。
WEB上でも多くの記事がありますね。最近は、4C(買い手側視点)も
考慮し、併用することが常道となっていますが、ここでは4Pのみを
取り上げていきたいと思います。
改めて4Pとは、
「Product(製品)」:品質、デザイン、ブランド 等
「Price(価格)」:割引、支払条件、信用取引 等
「Promotion(プロモーション)」:広告宣伝、ダイレクトマーケティング 等
「Place(流通)」:チャネル、輸送、流通範囲、立地、品揃え、在庫 等
のことです。
ポジショニング(売り手側の立ち位置)を明確にしたら、それを最大限
引き立てたり、効率よく拡散したりしなくてはなりません。
そのためにも最適な4Pを考え、組み合わせて、すべてが整合性がとれた
カタチにしていく必要があります。
この4Pは、「商品やサービスの効果を説明する1つのストーリーである」
と考えると良いかもしれません。
質問としては、
Q:商品の本当の価値は何か?(品質)
Q:商品のネーミングは?(デザイン、ブランド)
Q:対象顧客に合った売れ筋商品を揃えたか?(品揃え)
Q:プロモーションとその目的は?
Q:ITをどう使うか?
となります。
以上が基本プロセスの4つでした。
そして、冒頭でも書いた通り、重要なのはこれを実行&モニタリングして、
①~④サイクルを繰り返すことです。
マーケティングにモニタリングは欠かせませんが、なぜかと言えば
それは、全ては分析による「仮説」から始まっているからです。
ですので、その仮説が正しいものであると証明できるまで(要するに売れるようになるまで)
①から④を繰り返し、この科学的な方法論の効果を確実なものとしていくわけなのです。
そして、この方法が効果を発揮したと同時にあなたのミッション・使命・企業理念が
達成されれば、それは、事業の大成功と言えるのだと思います。
今回は、マーケティングの基本プロセスとして4つをご紹介しましたが、
かなりポイントを絞りました。物足りないと感じる方もいらっしゃる
かもしれませんが、そこはご容赦ください。
さてさて
前回、今回と2回にわたり、はじめてマーケティングというものに触れる方でも
理解できるよう配慮して解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
この記事のテーマに戻りますが、そもそも
「マーケティングの目的はセールスの必要をなくすこと」 でしたね。
(※念のため、注釈するとここでのセールスというのは、強引な営業 という
意味合いが強いです。)
是非、あなたも今回解説した基本的な4つのプロセスをモニタリングを
交えながら繰り返し、「買ってもらえる仕組み」を実現させてほしいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました
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