仕事の効率をどのようにして挙げていけばいいのか。
それは、チームリーダーにとって常に頭を悩ませる問題です。
メンバーそれぞれの能力、業務によって効率的に仕事をこなすポイントが異なってくるのは確か。
しかし、複数人で遂行していくプロジェクトの場合はそうも言ってられませんね。
ここでは、能力や業務に関係なく、効率を上げていく方法をお伝えしたいと思います。
当たり前のことなのですが、とても簡単なことです。それをいつも以上にしっかりと意識して戦略的に進めて行けるかどうかです。
全ての工程において「デッドライン」を明確に決めること。です。
例えば、「来月の2週目」では、ダメですね。
「〇日の〇時まで」というように特定の時点を示すことです。
さらに言えば、「〇日の〇時までにプロジェクトメンバー全員にメールでの共有をもって完了とする。」
と「何をもって、その工程を完了したのか」が、わかるようにしておくのもポイントです。
そして、決めたデットラインに向かって、追い込みをかけていく。 このデットラインがあることではじめて目的・目標が定まります。
デットライン、いわゆる「締め切り」がないものは、単なる願望や欲望、もっと言ってしまえば、夢に近いものになってしまいます。
私は、「目標」とは締め切りがある「夢」だと考えています。
日々の生活の中で、全ての願望や夢にデットラインを設定する。
すると、それが短期的な目標になり、小さなことでもそれを少しずつクリアーしていくことで、最終的な大きな目標にたどり着く、そんなふうに考えています。
締め切りがあって、はじめて人は計画を立て始めます。「何をする必要があるか」です。
締め切りがあって、はじめて人はスケジュールを逆算します。「どのように進める必要があるか」です。
締め切りがあって、はじめて人は自身の処理能力を客観的に推測します。「どれだけ時間がかかるのか」です。
当たり前のことですが、このような事を意識して戦略的に進めることができるかでそのプロジェクトしいては、目標の達成率が大きく変わってくるでしょう。
そして、まだ大事なことがあります。
プロジェクト内で共有の「デットライン」を設定したとしても、個別に作業に当たる場合は、さらにその少し前に「各個人作業ベースのデットライン」を設定することです。これは、各個人が設定するものなので、プロジェクト共有する必要はありませんね。
これは、「自分との約束の期日」になります。
これをプロジェクト内でのデットラインから少し前に設定することです。私であれば最低でも1日前に設定することをお勧めします。
なぜか。
何でもそうだと思いますが、「本当にいいモノ」というのは、何かが少し抜きんでている、何かが少しだけ輝いて目立っている。という事がほとんどです。
人の能力も然り、天才と凡人は紙一重です。何かが少しだけ違う程度なのです。
その「何か」というのを言語で例えるならば、
「もうひと越え」
と表現できるのではないかと思います。最後の「もうひと越え」です。
トレーニングや勉強などで例えれば、
凄くツライところでの「プラスあと十回の腕立て伏せ」
もう疲れたと思ったところでの「プラスあと5問の問題を解く」
明日でいいやと思いそうなところでの「プラスあと5分の集中力」
この「もうひと越え」の積み重ねがのちのちにとんでもない差を生むことになります。
つまり、個人のデットライン(=自分との約束の期日)をプロジェクト内のデットラインから少し前に設定することで、そこに「もうひと越え」を入れていくことができるようになります。
・もう一度、誤字脱字を見返してみる
・調査が足りなかったかなと思われる部分をもう一度調べてみる
・他に考慮すべき点はないかと、俯瞰してみる
など、もうひと越えでさらに磨きをかける時間を設けることです。「一日寝かす」とも言いますね。
集中して事を進めているときは、その作業にのめり込んでいますので、なかなか気づかないことも多かったりします。
それを「一日寝かす」ことで、少し視野が広くなり「あれっ?」と根本からの間違いに気づいたり、全く違う視点からの発想を思いついたりと様々なひと越えが起こります。
仕事の効率を上げるためには
①共有のデットライン(=締め切り)を設けること
②何をもって締め切りまでに完了できた、とするかを決めること
③個人作業は、共有デットラインの少し前に設定すること(=自分との約束の期日)
④個人のデットラインから共有のデットラインまでの時間で「ひと越え」を意識してさらに磨きをかけること
これが、仕事の効率化に極めて効果のある方法です。