今回はマーケティングより少しセールス寄りの話しをさせていただきたいと思います。
テーマは「見込み客との関係構築」です。
事業を安定させるためには当然ながら、安定した売上げがなければなりません。
安定した売り上げを得るためには、商品を買っていただけるお客様が列をなしている状態を作らなければなりません。
さらに言うと、全く商品・サービスを知らない人がその列に並びたくなる、という状況を作らなければいけません。
すでに商品・サービスを買っていただいてる顧客以外は、いわゆる見込み客となるのですが、商品・サービスの存在を認知してから購入するまでを見込み客側からとらえた「必要性」と「タイミング」の二つの軸でマッピングして、いま目の前にいる見込み客はどのゾーンにいる人なのかを理解することが重要となってきます。
セールスやマーケティングの側面において、なかなか成果を出せていない企業や人に共通して言えるのは、これを理解せずに短期的な視点だけですぐにお客様になる人を集めようとしてしまっていることです。
または、全く必要性を感じていない人に、あたかも今すぐ貴方の商品・サービスが欲しいと思っている人に対するようなセールスをかけ、販売しようとしていることです。
それでは、マッピングされた4つの顧客レベルについて話をしたいと思います。
1つ目。 タイミング的には今すぐ必要で、ないと困ってしまうレベルのゾーンにいる人。
行列の最前線に並んでいる人達で、オープンと同時にすぐさま商品を手に取り、商品に破損がないことを瞬時に確認し、足早にレジに向かおうとしている見込み客にあたります。
いますぐにでもあなたの商品・サービスを必要とする人達ですね。 多くの企業やセールスマンは、この見込み客を取りに行きます。
もちろん理由は単純で最も顧客化しやすいからですね。
しかし、知名度のない企業や全然売れていないセールスマンがこの発想でセールスやマーケティングを展開するとなかなか成果が上がりません。
なぜなのでしょうか。
それは、このゾーンのお客様はそもそも絶対数が少ないということです。 そう簡単に出会うことはないとまで言い切ってもいいかもしれません。
オープン前日から列に並ぶお客さんです。そのような人をピンポイントで見つけられる可能性はとても少ないと考えてよいでしょう。
知名度のある大企業や売れっ子セールスマンであれば、このようなお客さんが自ら寄って来てくれます。
しかし、ほとんどの企業やセールスマンでは見つけることはおろか、万が一、出会ったところで、簡単に他社との価格競争に負けてしまうでしょう。
これは、知名度のある大企業などは、資金的に体力があり、すべての面おいて競争上の優位に立つことを意味しています。
では、ほかの顧客レベルのゾーンはどうでしょうか。
分類すべてを説明すると
1つ目は、先ほどの今すぐ必要なお客様です。
絶対数も少なく、行列の最前列に並んでるような客です。
特徴としては、他社との違いをすでに十分に検討してきており、とても知識が豊富です。
情報を事前に収集できているため、セールスの圧力にめっぽう強いです。 「目利き」といわれる方たちもこのゾーンに存在します。
このような人達への対策のポイントとしては、他社との違いをしっかりと示しておくことです。
そして、「今すぐ必要なあなたの為の商品」であることも分かりやすく示していることです。
そして2つ目のゾーンは、タイミング的にはそのうち欲しいなぁと考えているが、必要性としては無くて困っているという客です。
商品やサービスを必要だと思っていますが、欲しいまでには至っていない人です。
特徴としては、必要性を感じてはいるものの一歩踏み出せない。「古いけどまだ使える。」 と思ってしまうような「節約家」の人です。
対策ポイントとしては、一歩踏み出せるような後押しが必要になってきますので、下心を見せず、良き相談相手となるような対応が必要でしょう。
また、購入後も手厚い対応ができるという強みを打ち出すなど、プロであることをしっかりと示す必要があります。
このような方たちは、強くセールスをされるとさっと逃げて行くのも特徴です。
そして3つ目のゾーンは、タイミング的にはそのうち欲しいなぁと考えている方で、かつ必要性としても、あるといいかなぁと思っている程度の人。
商品サービスの必要性をまだあまり強く感じていない方です。
市場分布で見れば、このゾーンにいる人達が圧倒的に多いでしょう。
この人たちの考えとしては、「良いのはわかるんだけどねぇ」 と何となくモヤモヤとしたセリフが口をついて出てきます。
または商品・サービスについてポロッと不都合な点を見つけ、不満などを漏らすこともあります。
対策ポイントとしては、いずれ欲しくなった時にいつでも相談できるアドバイザーとして重宝される、そんなポジションを獲得することが重要です。
そして最後の4つ目のゾーンは、無自覚・無関心の人です。
いつでも買える状態にあるのですが、必要性を全く感じていない方にあたります。
特徴としては商品・サービスに興味がありませんので、販売している会社やセールスマン本人の方に興味が向きます。
「ところで、おたく何やってる人なの?」 という呆気にとられる質問をしてくるかもしれません。
セールスをしようものなら、分かりやすいほど面倒臭いという表情になります。 売り込みに関する警戒心は一番強い人たちになります。
対策ポイントとしては、このような人は、商材に興味がないため、その商品・サービスについて言えば、いわゆる競合が存在しない状態となっています。
ですので、まずは商品サービスのことに少しでも興味を持ってもらえるよう接触頻度を高めて啓蒙していく必要があります。
まずは、以上の4つの顧客レベルを理解し、自分の目の前にいる人が今どのゾーンの見込み客なのかを理解しないといけません。
つまり、セールスを完成させるには、すべての見込み客が最終的には「今すぐ必要なお客ゾーン」に入りこませることが必須となってきますが、そこに至るまでの見込み客との関係構築が重要であることをしっかりと認識しているかどうか、それが営業で成果が出る人と出ない人の差になってくるのです。
これを 「見込み客の育成」 ともいますね。
別の表現をすると「長期的視点に立って見込み客と関係性を構築していきましょう」と言い換えられます。
まだ顧客化まで遠い見込み客を早い段階から獲得し、今すぐ必要な客へと育てていく、そんな発想が必要となってくるわけです。
よく 「ネット経由のお客様は質が悪い」 などと言う人がいますが、その原因の大半はこの顧客育成ができていないことにあるのです。
関係性を築いたり、予備知識を提供したりといった顧客育成のステップを踏んでいないからなんですね。
結果として不必要に相見積もりを取られて、競合と比較されたり、取引き開始直後に無理難題をふっかけられたり、と受注後に何かと不都合が生じやすくなります。
これは顧客のせいではなく、実はセールス側の問題であることがほとんどなんですね。 お客様のせいではありません。
以上、この4つの顧客レベルのゾーンを理解してはじめて戦術面で成果を収めることができると思います。
ご参考になれば幸いです。
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